「”性の多様性を伝える”を考える」研修の講師レポート
「”性の多様性を伝える”を考える」研修の講師レポート
今日の午後は、オンラインで、
「”性の多様性”を伝えるとは」というテーマで、性の多様性をテーマにする企画を考えるオンラインワークショップの講師&ファシリテーターを担当しました。
対象のご参加者は、
松本市HIV等性感染症予防啓発推進協議会(長っ^^;;)の部会のひとつ、子どもの教育部会の委員の皆さまです。
小・中・高校の養護教諭、市の出前講座を担う助産師の方々、性教育の地域活動をする方、PTA連合会代表、産婦人科医、そして子ども育成課や教育委員会ご担当、保健所の協議会担当の皆さまです。
今回は、子どもの教育部会の研修会という位置づけです。
というのも、活動の一つに、出前講座のブラッシュアップという計画があり、できることからしようということで、オンラインで出前講座を担当する方々に向けての学びの場をスタートしたところです。
前回は、産婦人科の医師による、「最新の月経の現状と対策」でした。
今回は、「性の多様化をどう伝えるといいのか?」というご質問がかねてよりあったことから、テーマとしました。
実は、私、子どもの教育部会の長なのです^^;;、それもありますし、これまで大学や地域現場で企画支援をしてきたことから、今回の講師役と相成りました。
90分の設定でしたので、ちょっと詰め込んだ感じでしたが、参加の皆様が普段から考えることに慣れている方々なので、いいテンポで勧めたかと思います。
今日の研修評価は後日にいただける予定ですが、今日のところは、
「今まで事前の準備を丁寧にしたつもりで、それが良かったと確認できた」
「書きながら、果たして生徒の考えがわかっているのかなと疑問が湧いた」
「まっさらな状態の生徒たちに、性の多様性を伝えるので、どうしようかといつも思っていたけれど、入り口としては良かったのかなと思えた」など。
すでに、出前講座で実績を上げている助産師の方々は、流石、基本をご存じなので、復習という感じだったでしょうか。さらに進めて、実践の分析をいっしょにさせていただけるといいのでは、と思った次第です。
さて、私がこういうワークショップ:WSでよくする連続質問に、次のようなものがあります。5つのうち、3つをご紹介します。
企画における当事者の意識へのフォーカス~”企画”は楽しい
上の1から5の連続質問には意味があり、ここが企画の基盤になるところです。
ビジネスで、物を売る場合のプロモーションでも、企画思考が多用されています。
事象が違えど、企画の基本は共通するといえ、そのもっとも重要なことは、当事者をどれだけ意識できるか、いわゆる当事者目線です。
ある会社では、「圧倒的当事者意識:ATI」というそうです。まさに、いい得て妙だと思います。
今日、初参加の養護の先生が書いた、この5つの質問への答えが、とっても良くて、ああ、こういう先生がいるっていいなあと思えました。
どんなに「実績」がある講師の方でも、こういった連続質問をすると、その方の講座に、このATIがどのくらい内包されているか、なんとなく察しが付く、と言えば、言い過ぎでしょうか、、、。
特に教育機関というところでは、児童・生徒・学生は、断る・拒否するということがしにくい環境と言えましょう。これは、講師にとっては、講師としてお招きを受けると、参加者=お客様がそこに居てくれる、という状況です。これがすべての理由ではありませんが、比較的、当事者への意識がゆるい企画になりがちではないでしょうか。
当事者=参加者の目線に合わせる、はどの講師もわかっていることです。
そのために、事前の情報収集をします。ビジネスの市場調査、対象調査、にあたります。
しかし、教育機関に、外部から講師で行く場合も、教育機関の中にいらっしゃる先生でも、この事前の当事者の考えや思いを知る、ということは、そう簡単ではありません。
常に、事前に当事者の情報があればいいですが、そうではないことの方が多いと言えるでしょう。
では、どうするか?
目的・目標設定、つまり到達点の設定をする時に、当事者の考えの事前情報がないので、目的設定できない、という思考の流れはよくあることです。
これをどう考えるか?
これを、視野を広くして、当事者に受益があるように、企画を考えることができるように、企画者をサポートするのですが、この部分を肚落ちしていただくのには、双方ともに、時間とエネルギーを要します。
時間とエネルギーを要しますが、講座企画を考えるというのは、とてもクリエイティブなとても楽しいコトだと私は考えています。
でも、これまでのところ、養護教諭や保健師、看護師、助産師の皆さまとお話して、企画が好き、という人はほとんどいませんでした、、、、^^;;
その一つに、授業で企画書を「書かされて」、なんだかわからないままに書くばかりで、よくわからなかった、ということがありそうです。
企画は、事象と思考の整理と言えますし、その基盤は、圧倒的に当事者の意識をひきだすこと、です。ここを、自由自在に扱えるようになると、企画が楽しくなるのではないかなあと思います。
これを肚落ちさせるには、基本を確認し、事象をとらえ直し、思考し、実践してみる、これらを一度ガッチリ、しっかり、適切なサポートの元で行ってみることだと考えます。
企画をセルフでできる方もいらっしゃいます。でも、少ないのではないでしょうか。どちらかというと、苦手にする方の方が多いように感じてきました。
世に、「コンサルタント」があふれているのも、コンサルティング、いわば、事象をつかみ、分析し、企画し再構築する、を行うのに、その専門家に頼む必要があるということでしょう。自前でできれば、依頼は不要ですよね。
健康に関する企画は、きっちり行えば、何らかの効果は「必ず」得ることができるのです。なにより、そういう時は、当事者が楽しさや達成感、有意義感を感じてくださいます。ですので、当事者の方に喜ばれる、人に関する効果の出る企画をサポートするのが使命だと思って、取り組んでいます。
今日の研修内容は、ちょっと舌足らずだったかもしれないなあと、反省もありつつ、その理由も把握できているので、次回の流れに活かせそうです。
次回は、今日の研修から生まれた案を行っていけるといいなと、メンバーと検討していきます。
こういうことができるのも、保健所の担当課の方々や地域で活動する方々のおかげです。「公務員は暇」というのは、少なくとも私が一緒に活動させていただいてきた公務員の皆さまには当てはまりません。
明日も教育機関にお伺いし、生徒さん方への健康教育プロジェクトの企画をいっしょに考えることになっています。今は生みの楽しい苦しみの最中です。がんばろうという先生方にこちらも触発されます。そんな機会をいただき、ありがたいことです。こちらもまたレポートいたしますね。