企画思考脳は育ちます~健康学習プロジェクトの1年間サポート&養護教諭への企画思考力支援
2023年9月5日、私は長野県松本市の市立C中学校で、40名ほどの先生方にお話をしていました。
40名中、30名余は養護教諭の先生方です。
何をお伝えに行ったかというと、1年間サポートさせてもらってきた健康学習プロジェクトのご報告でした。
いつのまにか、校長先生・教頭先生が?、『健康教育アドバイザー』と名付けてくださって^^
1年間、少しずつ少しずつ進めて形にしてきたプロジェクトの企画思考、そして担当の養護の先生方のがんばりをお伝えできてほんとうれしいことでした。
(なので、この記事は長いです^^;; マジ内容です^^;; でも、企画苦手だなっていう起業家さんには読んでほしい^^)
さて、
この日は、終日、先生方の研修会だったのでした。
朝イチの授業で、特別活動の時間を使い、3年生の先生方が授業し、多くの先生方が授業見学。
その後、その授業の検討、ディスカッション。
お昼を挟んで、指導者の先生によるご講義、そして私の講演でした。
要するに、先生方の授業力の向上のための研修日だったのでした(私の理解です)。
午後前半のご講義で、指導者の先生が健康学習の基本を復習してくださり、コンパクトにまとめてくださっていたので、私の実践報告への流れも自然でよかったなあと思いました。
そして、1年間サポートさせてもらってきた健康学習プロジェクトのご報告。
スタート時からの若手の養護教諭のT先生。
1年間、忙しい業務の中で、いわばプラス業務を続けて、
⭕️企画思考脳が育ちました❣️
⭕️企画書が書けるようになりました❣️
⭕️プロジェクトを育てる力がついてます❣️
1年間でこんなに成長するのね、とあらためてひしひしと感じます。
現場で今❗️必要なことをするので、自分ごとになっているから、もあるでしょうけど、素直にやってみた、も大きいと思います。
T先生曰く、健康学習支援の企画書を書くのは、まだ少しハードルは残るものの、こういう風に考えるのか、こういう風に書くのか、とわかってきたそうです。始める前よりは、企画を考えるハードルが下がったとも。
先に、この報告会の感想を読みたい方はこちら。
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そして、先輩の養護教諭の先生も素晴らしい。
この中学校は養護教諭が2名体制。
どんな風にすばらしいと思ったかは、次の通り。
さらに、この学校の先生方も、やるとなったら素早く協力的、前向き、がすごいなあと何度も思った1年間でした。管理職の先生方のバックアップも大きいでしょう。
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こんな風に、うまく進むことの方が少ないようにも思えるので、本当に貴重なことだったと思います。
、、、と、想いがあふれてしまうのですが、これをお読みの方は、よくわからないと思います^^;;
ですので、経緯を動画にしますので、撮影後にUPしますね。
Coming Soon。
さて、どんなことをお伝えしたか?こんな内容です。
前半に、ここまでの経緯をお伝えしました。
ーそもそもの「教育課程」と健康学習プロジェクトの発端
ーなぜ、私、山崎が関わることになったのか?
ーどんな過程で考えてきたのか?
ー生徒への健康学習支援の企画をなぜ考える必要があったのか?
ー実践の過程と、それぞれの行動の意味
などです。
生徒が健康について学習していくためのしかけ、つまり企画をどう考えるか、もご説明。
こんな図を使いました。
イラストは素人感満載ですけど^^;;
そして、企画の構造です。
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余談:「企画」の考え方をなぜ、今?と思う方がいるかもしれませんが、、、、
たぶんね、ビジネスシーンで企画をずっとしてきた人とか、経営企画・営業企画に関わった方などや、プロジェクト・マネジメントサイクル、CAPDサイクルをオペレーションしてきた人には、いまさら感があるかもしれません。
でも、この考え方、いわれればそうだと思えても、実際に現場レベルでしっかり落とし込んで考えることができ、実践できる人は、意外と少ないなあというのが、35年間「健康教育」フィールドや企業の健康サポートのフィールドにいる私の実感です。
(今、起業家サポートの現場でも同じことを思うのですが、こちらは背景がちょっと異なるので、またあらためて記述するつもりです。)
例えば、保健医療福祉関係の専門職は、養成機関で健康学習の企画と実践をそれほど体験してきていませんし、養護教諭の養成課程も同様なのだそうです。
そして、現場に出てからは、業務優先でなかなか学びの時間はとれません。
先輩方も、企画立案を課題にしている傾向はありますので、現場で企画思考をしっかり習得する機会にはばらつきがあると言えましょう。
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これを批判するつもりはありません。
教育現場で、生徒たちに真摯に丁寧に向き合う養護教諭や一般教諭の先生方の姿を見ていると、批判は湧いてきません。
多くの先生方は、多用な中で、生徒のためにと真面目になさっているのですよね、、、。
だから、こういう外部のサポーターをうまく使っていただくことが必要だろうと思えます。
私の場合は、
ー私自身、第1種養護教諭の資格があり、大学で10年間、養護教諭課程の教育提供をしてきた
ー10年間の大学勤務で、実習サポートや出前講座で市内の小中学校に訪問する機会がよくあり、養護教諭の先生方からお話を聴く機会があった
ー養護教諭の先生の実践報告の発表をお手伝いしたことがあった
ー健康学習支援の講義を大学でしていた
ー大学生が、住民に健康講座を開催する企画を、10年間指導してきた
ー国際保健の専門職や現場に触れることも多く、プロジェクトサイクル・マネジメントに触れることがあった
ー企業の勤務で、いわゆる「社内ライン」や営業企画、中間管理職等の一端を経験した
ー自分自身も、地域に向けて、健康サポート・イベントを継続開催してきた
これらの経験があり、現場のこともおおよそ知っていることから、お役に立てることがあると思い、お引き受けしたのでした。
なにより、養護の先生方が「保健教育:健康学習」の企画を駆使できると、お仕事が楽しくなると思うのです。
ということは、その学校の生徒や先生が元気になるということですので、応援したいと思うわけです。
話を戻して、健康学習支援の構造です。
ごくごく基本の流れ。
この構造の、赤丸の部分↓を思考できるようになるのに、ある程度のトレーニングが必要なのだろうと考えています。
これまでのキャリアで、ここを思考するコト・実践することをくぐっている人は、良く理解なさっていることだと思います。
けれど、専門職でもビジネス領域の方でも、業務として経験できていない場合、サポートを受けてステップを踏んでいくことで習得できる過程だとも言えるでしょう。
そして、赤丸の部分を思考していくのは、構造をわかっているとしても、一人ではなく、複数名でブレスト:ブレーンストーミングするといいところでしょう。
複数名で行うと、意見集約に骨が折れることはありますが、視野を広く持て、拡がりのある企画にできるのではないでしょうか。
特に、組織の場合は、この赤丸部分の検討に参画していると、協力体制やチーム感の醸成にも有効でしょう。
本プロジェクトの企画立案時、この赤丸の部分を、近隣の養護教諭の先生方にも声掛けして、一緒に考えていただいた過程もありました。
その時のワークショップは、ファシリテーターをさせてもらいました。
正直なところ、企画としてはもう少しきっちり、目的・目標・具体策の整合性をとれるとよかったのですが、初年度としては、枠組みができたこと、今後、学校全体で検討する場合の土台になる、というレベルに先生方とまとめることができたと思います。
この企画を、企画書に記載することを、H先生のサポートのもと、若手のT先生が何回も書き、完成できました。
企画書を添削し、メールでお送り、場合によってはzoomで解説でサポート。
T先生、「録画していいですか?」という問いかけが出るようになり、どんどん書けるように。
最終的に、A4サイズ1枚にまとめたものを送ってきたときには、正直なところ、びっくりしました。
「あああ、ここまでキタ~!」とうれしかったです。素晴らしいことです。
余談:企画思考に年齢は関係ない、と思った出会い
こんなこともありました。
ある、年齢も職種もキャリアもさまざまなワークショップ合宿に参加したことがあります。
大学を卒業したての23歳の若者と同じチームになりました。ランダムにつくられた5人のグループでした。
彼は、ごくごく自然に、この企画思考で、キャリアのある40・50代に交じって、まったく遜色がないプレイぶりでした。
興味が湧いて、大学でどんな経験をしたのか聞くと、なるほど!
研究ゼミのテーマが地域活性化、かなりの時間、地域フィールドで企画・実践をしてきたということがわかりました。年齢やキャリアの長さではないのですね。
この彼、今は瀬戸内の地域で、NPOを設立し地域の若者たちと次世代育成の事業運営をしています。収益を上げて暮らしているのがすごい!!!でも、あの合宿の様子からは、それも納得だなと思うのです。
AI時代でも、残っていける人だろうな、とも。
ギラギラしていない自然体に、ああ、こういう人たちが未来を作っていくんだろうなと感じたことを思い出しました。
そして、今年5月、専門家を招いて「コミュニケ―ションの基本」のワークショップ授業に至りました。
7月・9月は、先述の教育課程研修として、保健体育の先生が授業をしました。
ここまでの流れの健康学習プロジェクトの企画をサポートさせていただいた、というわけです。
当初の想定と変化したこともありましたが、それはプロジェクトではよくあること。
柔軟に、事態も心も調整していくことが大切です。
そんなご経験にもなったのではないでしょうか。
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これが、ざっくりとした(笑)、健康学習プロジェクトの経過です。
(「余談」はこのコラムのみでのご紹介です)
これを60分でお伝えしたのでしたが、終了後、
「1時間がすごく短かったです!!」と笑顔でK先生がおっしゃってくださり、
T先生もウンウンとうなづき、「ほんと、あっという間でした」と言ってくださり。とてもうれしく感じました。
聴講の先生方も、しっかりお顔をあげて、うなづいたり、笑ったりと聴いてくださったので、よかったなあと思いました。
今後のプロジェクトがさらに続くかは、まだ決まっていないのですが、先生方の活動量の負担を減らした方法もあります。続くと、全国のモデルにもなると思うので期待したいと思います。すくなくとも、どこかに報告発表していただけたら、と思うのです。
それにしても、教育機関ゆえ写真はあまり出せないのが残念です^^;;
企画思考脳を使う経験が少ない場合、サポートを受けて、セオリーのステップを踏むと、必ずできていきます。
そんなお手伝いができて、ソノサキの未来の何かに貢献できる、ということが私にとっては楽しくうれしいことです。
先生方、お疲れさまでした!
まだまだ、すべての先生方のご活躍は続くので、健康でおすごしくださいね💛
※この記述内容については、該当校のご承諾をいただいております。
『本校の関係職員がみな感動していました。このような形にしていただいて、ありがとうございます。』とのメッセージもいただき、恐縮しつつも、ありがたくうれしい思いです。こちらこそ、ありがとうございました。感謝申し上げます。
後日、報告講演の感想をいただきました。
ありがたい思いで拝読。一部抜粋でご紹介しています。
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